痛風は特定の臓器におきる病気ではなく、いわば全身の循環系の病気です。したがって痛風治療のためには、プリン体を多く含む食品を控える、生活リズムを正しくするなども大切ですが、全身の状態を改善することも必要です。それがすなわち、運動であると言えます。
1、痛風患者には肥満体が多い
ただしここで注意すべきことは、痛風治療のための運動は、スポーツ選手にとっての運動とは違うということです。運動がストレートに痛風治療に効くわけではなく、運動によって得られる効果=ダイエットや心肺機能の向上、新陳代謝促進などが痛風治療に効果的なのです。
それはなぜかと言うと、痛風患者には肥満体型の方が多いからです。運動をすることによってまず肥満を解消し、その結果として尿酸値が低下する、すなわち痛風の治療につながるという考え方です。
ただし、肥満体なら必ず痛風になるかというとそんなことはなく、体質や遺伝もあります。
したがって運動とは、痛風治療のためのひとつの方法=ダイエットすることで尿酸生成を減らすということです。
2、尿酸値を下げるために有酸素運動をしよう(ダイエット効果)
そこでお勧めするのは、ウォーキングやスイミング、サイクリングなどの有酸素運動です。
有酸素運動とは、文字通り、酸素を多く取り込みながら長時間続けられる運動のことです。これを続けることによって、体内の糖質や脂肪が酸素とともに燃焼します。その結果、体内脂肪が燃えるということになります。
目安としては、【1分間の心拍数が120回以下】です。
これは体重の多い方にとっては、とても行いやすい運動であると言えます。
例えばジョギングであれば、着地するときに体重以上の負荷が足にかかりますが、ウォーキングであればそれほど負荷はかかりません。体に無理のない、少ない負荷を長時間かけることで、脂肪を燃焼させることができますね。
同時に、血液などの循環もよくなり、代謝にも効果的です。
スイミングであれば、水の浮力が働きますから、負荷はもっと少ないと言えます。膝を傷めた方や、脚を手術した方がリハビリで水中ウォーキングを行うのはよく知られているところです。
3、無理なく有酸素運動を行える10のポイント
「じゃあ、明日からウォーキングを始めよう」
と言っても、いきなり新しい習慣を始めることはなかなか大変です。
そこで、無理のない方法で、また長続きできる方法を考えてみましょう。そこで大切なことは、次の10のポイントです。
(1) 自分で時刻を決めて行える
(2) 速さ、時間などを自分で調整できる
(3) 生活の隙間に組み込める
(4) 一人でできる
(5) 他者と競争する必要がない
(6) 変化があり、飽きずにできる
(7) 季節や天候に左右されにくい
(8) 特別の設備を必要としない
(9) 費用があまりかからない
(10)無理せずできる
これらを総合的に考慮すると、お勧めの方法は、景色に変化のあるところで行うウォーキングが最もよさそうです。例えば自宅の近くを歩くにしても、日によってコースを若干変えてみる、高低差のあるところを歩く、車で走っていった先で距離を決めて往復する、などです。狭い室内や運動場をぐるぐる歩いているだけでは飽きてしまいますから。
天気が悪い日には、どこか体育館やスポーツジムがあればベストですね。
携帯音楽プレーヤーで、音楽を聴きながら歩くのもいいものです。
ただし、道路(歩道)を歩く際は、くれぐれも交通事故に注意して下さい。
また、1ヶ月続いた、体重が5キロ落ちたというときには自分にご褒美を決めておくと、張り合いも出るでしょう。
また、気の合った仲間とのんびりゴルフを行うのもいいでしょう。ただし、イライラしたり、ボールを追って走り回っては、これも逆効果になってしまいます。
炎天下のゴルフも、水分を奪って心臓と腎臓に負担をかけますから、季節は選びたいですね。
冬のゴルフも、血圧が上がりますから、あまりお勧めできません。
4、無酸素運動(激しい運動)は逆効果
一方、同じ運動をするなら、激しい運動をすれば効果も早く出るのではないかと思われがちですが、実はそれは痛風治療には逆効果ですから注意して下さい。
激しい運動とは、心肺や筋肉に大きな負担をかける運動と思って下さい。
例えば、マラソン、トライアスロン、ウェイトリフティングなどです。
無酸素運動も同様で、例えば、重いバーベルを持ち上げる場合、息を止めて力を入れますね。これが無酸素運動です。
これら激しい運動がなぜ痛風に良くないかと言うと、激しい運動は、体内でエネルギーを生み出し消費された結果、プリン体を生成するからです。プリン体が分解されると尿酸となることは、既にご存じですよね。
事実、プロスポーツ選手には意外に痛風にかかっている方が多いのも、この事実を裏付けているのではないでしょうか。
いかがでしょうか。
痛風治療における運動とは、運動それ自体が病気に効く=というのではなく、運動と有酸素運動によって体質を変える、ダイエットもできる、その結果尿酸生成を減らすという性格を持つものです。
是非、無理のない運動を続けることで、痛風治療に役立てて下さいね。
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