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1.痛風発症の低年齢化!

痛風はかつて「ぜいたく病」と言われ、一部の美食家に特有の病気と思われていました。
しかし、欧米の食生活がすっかり浸透した現代では、痛風は決して一部の方の病気ではなくなりました。
現在、日本での痛風患者はおよそ100万人と言われています。単純に日本人の人口で割ると、120人に1人が痛風ということになります。
しかも、痛風にかかるのはほとんどが男性であることを加味すると、その割合は60人に1人となります。
そして、痛風にかかるのは中高年が多いですから、中高年に限って言えば痛風患者の割合は更に高くなりますね。
そして、現在、じわじわと進行しているのが、痛風発症の低年齢化です。

2.痛風は30代から発症する

事実、痛風の発症年齢が30代という事も、今では珍しくありません。また痛風だけでなく、痛風の予備軍である高尿酸血症も、30代男性に多く見られます。
また、高血圧、高コレステロール等も、やはり高くなる傾向にあります。いわゆる生活習慣病ですね。

その最も大きな原因は、食べ物です。生活習慣病にかかる要素を、ざっとあげてみましょう。
 

・食生活の欧米化(高カロリー食の増加)

 

・不規則な生活

 

・24時間開いているコンビニ、ファミリーレストラン、デリバリーの発達による外食の多用

 

・濃い味付け

 

・アルコールの多飲

 

・生活上のストレス

 

・運動不足

 

・肥満

これらは、中高年が生活習慣病にかかるのと全く変わりません。
かつて中高年に特有だったライフスタイルが、若年層にも浸透してきているということです。
ちょっと前、日本人の20代から30代の体格調査結果がありましたが、女性がダイエットや体型を気にして痩せぎみの方が多いのに対して、男性は太目の方が増えているという結果が出ていました。
これらの要因から、30代から生活習慣病が発症するのは、決して不思議ではないことが分かります。

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3.小児痛風はあまり多くない

「小児」とは、15才以下の男女を指す言葉ですが、小児の年齢で痛風にかかることは極めてまれなことであって、まずほとんどないと言っていいでしょう。
大人と同様、子供でも太っている方はいますね。しかしだからと言って、すぐ高尿酸血症になるわけでもありませんし、子供はお酒を飲みません。
すなわち、高尿酸血症や痛風は、単に体型や生活習慣から発症するものではなく、体全体の代謝システムから起きるものであると言えます。中高年になると代謝量が減りますから、若い頃と同じ食事量だと太ってしまいます。それで中性脂肪がついてしまい、体内生成される尿酸が増えてしまうというしくみです。

小児の痛風に特徴的なことは、基礎代謝異常などの基礎疾患があると、痛風が発症することがあるということです。
先天性代謝異常とは、生命を維持するために必要な酵素が、生まれつき備わっていないことを言います。簡単に言うと、体が本来持っている代謝や免疫バランスが取りにくいということで、特定の酵素やビタミンを飲まなければなりません。するとその場合、適切な治療をしないと、特定の病気を発症することがあります。
そうなると、と言っても非常にまれですが、10代で痛風になる場合があります。
発症した小児の特徴として、先天性基礎代謝異常のほかには、次の点があげられます。

・男児が多い

・肥満体が多い

・遺伝的要素もある

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4.治療は成人と同じ

その治療ですが、基本的には成人と同じです。
まずは高尿酸結晶を改善しなければなりませんので、尿酸を排出する薬の処方、食生活や運動療法、ダイエット、規則正しい生活の指導などです。

また、小児から痛風を発症した場合は、中高年で発症した場合と比べて、治療する期間が圧倒的に長いです。いわば、一生痛風とつきあっていかなくてはならないわけですから、治療にあたっては、親も含めて、真剣に向き合わなくてはならないでしょう。
母親なり父親が、3食の献立から生活リズム、体重に至るまで適切に管理しなければなりません。
と同時に、薬を飲み、食べ物飲み物に注意した生活を送っていかないと、やがて腎臓が悪くなり、人工透析をしないとならないことは繰り返し説明し、しっかりと分からせるべきでしょう。

また、代謝異常があった場合、それの薬と、痛風の薬を共に飲んでもいいかどうかは、医師に確認しておきましょう。最近の薬は副作用が少なくなってはいますが、完全にゼロではありません。
今では「お薬手帳」を利用すれば、複数の医院から処方された薬の飲み合わせが、すぐに分かるようになっていますから、これも忘れずに利用したいですね。

ただし、小児痛風に関する研究は、成人のそれと比較して非常に少なく、欧米でも同様に、研究成果は乏しいのが実情です。
したがって、小児痛風への研究および処置は、今後の成果を待つしかなさそうです。
ただ言えることは、食生活やライフスタイルの変化に伴って、小児痛風は今後徐々に増えていくということです。
小児痛風と診断されたら、家族ぐるみで治療にあたりたいものですね。