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感染症とは、人が細菌やウイルスに感染することによって、体調が悪化したり、免疫不全を起こしたりする病気の総称です。
日常よく耳にする「風邪」も、感染症がもとで起こることが多く、感染症は人間の生活にとって身近にあるものです。
しかし、細菌やウイルスをあなどってはなりません。
過去から現代までの文明は、感染症を克服する過程だったと言っても言い過ぎではなく、人間が絶滅させることができたウイルスは、天然痘ウイルスただ1つに過ぎません。
そういう観点で、痛風から起きる感染症について考えてみましょう。

1.痛風から起きる感染症

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痛風と同じ生活習慣病に、糖尿病があります。糖尿病にかかると神経が冒されるため、肺炎や結核、皮膚の感染症にかかることがあります。
しかし、痛風から直接起きる感染症は、あまりないと言っていいでしょう。

しかし、「それなら安全」と早合点してはなりません。
直接の感染症はあまりなくても、痛風発作の猛烈な痛みが起きているときに注意しないと、思わぬ感染症になることがあります。
また、痛風の治療をまったくしないで放置すると、やがて重大な感染症を引き起こします。これは、最後に述べます。

2.痛風発作時の感染症には

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痛風発作が起きたときは、痛みはありますが、直接痛風によって免疫力が落ちるということはありませんので、それで感染症を引き起こすことは、まずないと言っていいでしょう。
ただし、痛みゆえに食欲はなくなってしまいますから、それによって体の抵抗力が落ちてしまうことはあり得ます。
したがって、高タンパク低カロリーの食品を摂るのがいいでしょう。例えば、豆腐や魚を使った料理です。ただし、同じ大豆製品でも、納豆はプリン体を多く含むので、控えましょう。魚でも、一部の青魚にはやはりプリン体が多く含まれていますので、控えるべきです。

また、あまりの痛さから、歩くことには非常な困難が伴います。それでも、一日中部屋にこもっていると気が滅入りますから、たまには散歩をしたいと思ってきます。
そのとき松葉杖を使うこともあるでしょう。しかし慣れないために、転んだり、手の皮をすりむいたりすることがあります。
私も、発作が起きたときには勤務先にあった松葉杖を借りて歩いてみましたが、最初の2,3歩で手を滑らせ、手の皮をむいてしまいました。
軽傷だからよかったものの、うっかり転倒して、手をついたところに石や金属があれば、思わぬケガをしてしまいます。
転んだ際に、腫れている患部をぶつけようものなら、想像もしたくない痛みが襲ってきそうです。
慣れない動作をするときには、最新の注意を払いましょう。

①寒さにも注意が必要です。

痛風発作は季節に関係なく起きますが、寒い時期でも(主に)患部となる足先は熱を帯びています。
そのため、足を布団から出して寝る場合が多いですが、それによって風邪をひくことがないよう、部屋を暖めるなり、足先は素足であっても、服はきちんと着込みましょう。

ただし、これらは痛風には直接関係ないことがらと言えますので、あまり感染症に注意する必要はありません。
大切なことは、医師から処方された薬をきちんと飲み、安静にして、患部を清潔にしておくことです。栄養も十分にとりましょう。
痛風発作は、始まったときから7日から10日すれば、嘘のように消えてなくなってしまいます。痛いときには、「一体いつまで続くのか」と愕然とするものですが、本当に、すっかり消えてしまうのです。
それがもとで、痛みが消えると薬を飲まなくなってしまう方もいるのですが、その果てには、重大な感染症が待ち構えています。

3.痛風を放置したときの感染症

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痛風の薬を飲まず、また生活習慣を改めないと、発作の感覚は徐々に狭くなってきます。
そして痛風腎と呼ばれる腎不全、尿路結石のリスクが高まり、また同時に、心筋梗塞や脳血管障害のリスクも高まります。
腎不全が進むと、人工透析をしないとなりません。

また、長期間のうちに、体内のあちこちに尿酸結晶が固まりを作ってきます。
これは「痛風結節」と呼ばれ、尿酸ナトリウムでできた白い物質です。
よくできるのは、耳たぶ、手足の関節ですが、さらに放置すると結節は大きくなり、やがて皮膚が破れて白い結晶が粉のように落ちてきます。
これが関節で起きると、処置はなかなか大変です。
その時点で、関節は動かないか動きにくくなるなど破壊が進んでいますし、皮膚を戻すためには、結節を削って外科手術をしなければなりません。

そうなると、皮膚が破れた患部から細菌が入りやすくなります。
皮膚がふさがりにくいケガをしているようなものですから、感染症リスクは非常に高くなりますね。
医療が発達し、様々な情報がすぐ手に入る現代では、ここまで放置する人はあまりいないと思いますが、痛風を放置すると、最終的にはこうなるものだということは、知識として知っておきましょう。
発作が引いたときでも、痛風の治療を怠ってはならないのです。