痛風の代表的な症状は、何よりも激しい痛みを伴う発作です。
発作は、血液中の尿酸濃度が高くなり、尿酸結晶を白血球が攻撃することによって起きます。
そのため、風が吹いても痛いということから痛風という名前がついたとも言われます。

しかし、痛風が本当に怖いのは、痛みよりも、適切な治療をせずに放置しておいたときに起きる合併症であり、特に「痛風腎」と呼ばれる腎臓病です。
また、治療をしないでいると、他にも様々な合併症を起こします。尿路(尿管)結石も、そのうちのひとつです。

1.尿路結石とは

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人は生きている限り、体内を血液が循環して酸素や栄養分を体内の隅々まで運搬しています。
それと同時に、細胞から排出された老廃物の一部も血液に溶け込み、腎臓で濾されて尿が作られます。
そして尿は、尿路を通って一度膀胱にためられ、ある程度たまると尿意となって意識され、排尿されます。

ではここで、痛風治療をせず、尿中の尿酸濃度が高くなった状態を想像してみましょう。
尿酸濃度の目安は7.0ですが、それより高くなり、例えば8.0や9.0を超えると、尿酸が結晶化しやすくなります。塩を水に溶かすと、最初は全部溶けて見えなくなりますが、さらに塩をつぎ足していくと、一定量以上は溶けずに、水の中に白い結晶が見えたままとなります。ちょうど、この状態ですね。
尿酸値が上がっても、ここまで極端に濃くはなりませんが、尿酸結晶は、血管をはじめ、腎臓、尿路、膀胱と、尿が通る全ての経路にたまってきます。当然ですね。

そして尿酸は、カルシウムと結びついて尿酸カルシウムとなって結石を引き起こします。石となって尿路をふさいでしまうと、腎臓から結石までの圧力が高くなってきて激痛が起こります。
これが尿路結石のしくみです。

ここで知っておきたいのは、痛風発作と同様、尿路結石の痛みも、かなり激しい痛みであることです。なかには、痛さで失神する方もいるといいますから、痛風発作より痛そうです。
痛風発作だけでも相当な痛みなのに、さらに尿路結石の痛みまでは経験したくありませんね。

小さい結石なら、尿と一緒に排出されてしまいますが、必ずしも痛みを感じるとは限りません。
しかし、排出できないほど大きな結石であれば、薬で溶かしたり、衝撃波で砕いたりと、小さくしないと排出することができません。
また、外科手術をして取り出す場合もあります。

2.尿路結石予防のために

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このように、尿路結石の痛みとは、相当激しいものです。
絶対に経験したくありませんよね。
ではどうすべきかと言うと、結石を起こさないように、普段から生活習慣に気をつけなければなりません。そのためにはまず、次のことがらを守りましょ

①. 毎日、少なくとも2リットル以上の水分を摂る

最も大切なのがこれで、季節を問わず、毎日2リットル以上の水分を摂りましょう。
理由は簡単で、尿酸が尿に溶けるのには上限がありますから、尿の量を増やすことで、尿酸排出をスムーズにしようということです。
ただし、水分なら何でもいいというわけではなく、カフェインを含んでいない麦茶かミネラルウォーターが最もいいでしょう。
コーヒー、紅茶、緑茶はカフェインを含みますので、血圧を上げたり、寝る前に神経を興奮させたりする働きがありますので、一日中飲むのみは適していません。
また、甘い清涼飲料水は、体液濃度を上げて、結果的にのどが渇いてしまいます。肥満にもつながりますね。
また、ビールやアルコールで2リットル達成しても意味ありませんよね。お酒は、体内の尿酸濃度を上げてしまいますから。

②. 普段から適度な運動を行う

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適度な運動を行うことで、代謝がよくなって結石ができにくくなります。
結石ができやすくなるのは、就寝し、また尿の排出量が減る夜間であると言われますから、その点からも運動することは理にかなっています。

③. 寝る前に食事をしない

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寝る前に食事をすると、寝たあともしばらく血糖値は上がり、胃腸は活動しています。
しかし脳をはじめ神経は寝ているというアンバランスな状態が続くこととなります。
当然ながら、肥満してメタボリックシンドロームにもつながりますし、なかでも中性脂肪がつきやすくなります。

④. 気をつけるべき食べ物

結石の原料となる物質は、尿酸とカルシウムです。他には、シュウ酸もあります。
そこで、これらを多く含む食物は控えましょう。
ほうれん草は、アク抜きをしっかりとします。

ただし、カルシウムはしっかりと摂取しましょう。例えば、乳製品、大豆製品、海藻類、小魚などですね。
結石の約9割はカルシウムと言われていますので、カルシウムの摂取は控えたほうが一見よさそうですが、実際は反対です。
カルシウムを摂ると、体内でシュウ酸と結合してシュウ酸カルシウムとなり、結石の原料であるシュウ酸を体外に排出する働きをします。

このように、痛風は痛みだけではなく、腎臓や尿路にも影響を及ぼしますから、処方された薬をきちんと飲み、食生活にも注意したいですね。