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痛風は、血液中の尿酸濃度が高くなる病気です。
一方の糖尿病は、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高くなる病気です。
名前も発症のしくみも、症状も両者は全く違いますが、痛風になった方は、糖尿病にもならないように注意しなければなりません。

1.痛風も糖尿病も生活習慣病である

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痛風と糖尿病は発症の原因やしくみは全く違いますが、両者とも生活習慣である高カロリー食、アルコールの飲み過ぎ、運動不足、それからくる肥満、ストレスなどが関係しているからです。
つまり、このような生活習慣を続けていれば、痛風にもなりえますし、糖尿病にもなる可能性が高いということです。
そして結果的には、どちらも同じように動脈硬化や腎障害といった合併症を引き起こします。
また糖尿病が起こす他の合併症には、目の障害、神経障害があります。では、痛風になるとどのような合併症があるのでしょうか。

合併症1 動脈硬化

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まず動脈硬化とは、動脈が硬くなったり、動脈内部が狭くなることで様々な症状を引き起こす病気です。
原因には、高血圧、喫煙、加齢などがありますが、痛風と糖尿病もひとつの原因として働きます。

そのメカニズムですが、まず尿酸や濃い血糖が動脈内部のある部分に固まり始めます。
固まる部分はいろいろですが、血管の曲がる箇所や、細くなる箇所が多いです。
一度固まり(プラーク)ができると、それが血流を邪魔しますので、固まりはさらに大きくなります。
そしてプラークは、突然破れたりはがれたりして血栓となり、動脈の内部で詰まることがあります。
ひとたび詰まると、それより先の血管には血液が流れないか、非常に流れにくくなります。
これが心臓の冠動脈で止まれば、心筋梗塞となります。
脳血管で止まれば、脳梗塞となります。

非常に怖い合併症ですが、要は、痛風も糖尿病も血液を濃くする病気であることから、これらが起きる可能性は高くなります。十分に気をつけ、予防に努めなければなりません。

また、血管が細くなるほど壁は薄くなりますから、破れやすくもなります。脳内で破れると脳
卒中となり、最悪の場合は死に至るか、回復しても運動機能や言語機能に障害が残る場合があります。

合併症2 腎障害

痛風が原因で起きる痛風腎については別章で解説しました。
それと似たメカニズムで、糖尿病も腎臓に障害を引き起こします。
痛風では、尿酸結晶が腎臓にたまって腎臓機能を低下させますが、糖尿病では高血糖の血液が腎臓内の糸球体を損傷させ、やがて蛋白質が尿に混じり、そして全身のむくみや尿毒症が起きてきます。

その結果、血液のろ過が正常に機能しなくなり、尿中に蛋白が漏れ出したり、老廃物がきちんと排出できなくなったりしてしまいます。
最終的には腎臓が機能しなくなる腎不全におちいり、定期的に人工透析をしなくてはなりません。
これは糖尿病からくる腎障害ですが、痛風なら起きないと言って安心してはいけません。

なぜなら痛風と糖尿病は、似たようなメカニズムで起きるからです。言葉を変えれば、痛風になった方は、生活習慣を変えなければ、糖尿病にかかるリスクも高いということです。
そしてさらに怖いのは、痛風と糖尿病の2つがいわばダブルパンチとなって腎臓へダメージを与える相乗効果です。

2.早期治療が痛風と糖尿病には効果的 痛風と糖尿病負相乗効果とは

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つまり糖尿病は血糖値を上昇させ、痛風は尿酸値を上昇させますから、痛風と糖尿病の両方を発症した場合、別々の因子が腎臓や血管へ相乗的に悪影響を及ぼします。
こうなると腎臓は日に日に痛めつけられますから、すぐに悲鳴をあげ、やがて機能しなくなってしまいます。
しかしながら腎臓障害にはほとんど自覚症状がありません。
これが腎臓という臓器の怖いところです。

したがって痛風になったら、糖尿病にもならないように、糖尿病対策もしなければなりません。それは逆に糖尿病患者にも言えることで、やはり痛風対策をしなければなりませんね。
理由は、原因となる生活習慣が痛風も糖尿病も似ているためで、どちらかの病気になったら、もう片方にもなりやすいということはしっかりと認識しておきたいものです。

3.痛風も糖尿病もまずは予防をすることが大切

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そのためには、次のことがらをしっかり守らなければなりません。

① 医師の指示に従う

② 処方された薬をしっかりと飲む

③ 生活習慣を改善する(食事、飲酒、運動など)

④ 体重を落とす

⑤ 仕事上のストレス解消に務める

⑥ 健康診断結果にはきちんと目を通し、各臓器の状態を常に把握しておく

⑦ 気晴らしができる趣味を持つ

しかし、ものは考えようです。
「無病息災」といって、何も病気がなく健康で元気に暮らすという意味の言葉があります。
しかし、誰しも中高年になって病気がひとつもないというのはむしろ珍しいと言えます。
痛風でも糖尿病でも、これは神が健康に注意するようにと自分に与えた警告なのだと思えば、それ以上悪化しないように日常生活全般に気をつけるようになろうというものです。
それを「一病息災」とも言う場合もありますが、健康に気をつけるひとつのきっかけだと思えれば、ちょっと気楽になるかもしれません。