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糖尿病(2型糖尿病)の治療の基本となるのは食事療法と運動療法です。

その2つの治療を行っても血糖値が下がらず、血糖コントロールの改善が思わしくない場合は薬物療法を行います。

薬物療法は、飲み薬である経口血糖降下薬と注射薬であるインスリン注射がありますが、2型糖尿病患者さんは、経口血糖降下薬の治療から始めることで効果が期待できます。

Ⅰ型糖尿病患者さんはインスリン注射が絶対の治療となります。

経口血糖降下薬の種類、それぞれの効能、どのような場合に用いられるのかということを詳しく説明していきます。

1.経口血糖降下薬とは

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糖尿病になると、膵臓から分泌されるインスリンの分泌量が不足することと、体のインスリンに対する効き目が弱くなるインスリン抵抗性によって体が高血糖状態となります。

インスリンの働きや血糖値には、膵臓、肝臓、小腸、十二指腸、腎臓、筋肉、内臓脂肪などの体の臓器や組織なども関与しており、これらの臓器や組織の働きが障害されても血糖値に影響が出てきます。

経口血糖降下薬は、これらの血糖値に関する働きが障害された部分に作用して血糖値を下げる薬です。

2.血糖値に関わる臓器・組織の役割

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1. 膵臓

膵臓は血糖値を下げる働きをするインスリンや、血糖値を上昇させる働きをするグルカゴンを分泌しています。

インスリンの分泌が減少する、またはグルカゴンの分泌が増加すると高血糖となります。

2. 肝臓

膵臓からインスリンが分泌されると、肝臓は血液中のブドウ糖をグリコーゲンに変換して蓄えます。グルカゴンが分泌されると、グリコーゲンをブドウ糖に変換して血液中へと放出します。

このように肝臓の働きはインスリンとグルカゴンの分泌量に準じ、インスリンの分泌が減るとブドウ糖をグリコーゲンに蓄える働きも弱くなり、グルカゴンの分泌が多くなると貯蓄していたグリコーゲンをブドウ糖として血液中に過剰に放出し、高血糖となります。

3. 腎臓

腎臓は血液中の不要な物質を原尿として排出して、体に必要なブドウ糖などの栄養素を再び血液中に戻す再吸収の働きを行っています。

高血糖状態で、ブドウ糖を再吸収しきれなかった場合、ブドウ糖は尿糖として尿へ排出されます。

4. 小腸、十二指腸

小腸は食事摂取したものをブドウ糖として取り込みます。過剰な食事によってブドウ糖が多くなると高血糖となります。

小腸、十二指腸から食事摂取した際に分泌されるインクレチンは、グルカゴンの分泌を抑制し、血糖値を下げる働きがあります。

5. 筋肉

インスリンが分泌されると筋肉は血液中のブドウ糖をエネルギーへと変換して利用します。インスリンの分泌不足や効き方が弱い時は、血液中のブドウ糖を筋肉に取り込めず、高血糖となります。

6. 内臓脂肪

内臓脂肪が多くなるとインスリン抵抗性を起こす遊離脂肪酸が放出され、高血糖となります。

3.糖尿病改善のための経口血糖降下薬の種類と効果

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糖尿病の経口薬にはインスリンの分泌を促す薬、インスリンの効き目を良くする薬、ブドウ糖の吸収を抑える薬があり、患者さんの症状や状態、目的、合併症などによって選択されます。

<スルホニル尿素薬(SU薬)>

製品名:オイグルコン、ダオニール、グリミクロン、アマリールなど

糖尿病の治療では昔から使われているポピュラーな薬です。

膵臓のβ細胞に作用し、インスリンの分泌を増加させて、筋肉や肝臓へのブドウ糖の取り込みを増やして血糖値を下げる働きを持ちます。

1回の服用で効果は24時間持続して血糖値を下げますが、その効き目は強く、低血糖が起こる場合があります。また、体重が増加しやすい傾向があるので食事療法の徹底が必要であり、長期の服用で膵臓のβ細胞が弱ってしまいやすいという副作用もあります。

食後ばかりでなく、空腹時の血糖値も高い方に用いられます。

アマリールは膵臓に作用する他、インスリン抵抗性の改善にも作用します。

<速効型インスリン分泌促進薬>

製品名:スターシス、ファスティックなど

スルホニル尿素薬と同じように膵臓に作用してインスリンの分泌を促進する働きを持ちますが、スルホニル尿素薬よりも早く効き、作用する時間が短いのが特徴です。

食前に飲む必要があり、服用したらすぐに食事を摂らないと低血糖を起こします。食後の高血糖がみられ、インスリンの分泌を早く促したい時に用いられます。

<α-グルコシダーゼ阻害薬(α-G1>

製品名:グルコバイ、アカルボースなど

食事によって摂取された炭水化物がブドウ糖として腸に吸収されることを遅らせる薬で、食後の急激な血糖値の上昇を抑える効果があります。

食前に飲まないと効果を発揮せず、比較的軽症の糖尿病患者さんで食後の血糖値が高い方に用いられます。

スルホニル尿素薬と併用されることが多く、その場合、低血糖となるリスクがあります。低血糖を起こした場合は、砂糖ではなく、ブドウ糖の摂取が必要です。

<ビグアナイド薬>

製品名:メトグルコ、メトホルミン、ネルミスなど

肝臓のブドウ糖を作る糖新生の働きを抑制し、筋肉や肝臓でのブドウ糖の利用を促進します。腸からのブドウ糖の吸収も抑制し、それらの作用によって血糖値を低下させる働きを持ちます。

服用しても体重の増加が起こりにくく、肥満の方にも使いやすい薬です。スルホニル尿素薬と併用されることも多く、その場合は低血糖をきたす危険があります。

乳酸アシドーシスという重症化すると昏睡をきたす重篤な副作用が起こることがあり、腎機能障害や肝機能障害のある方は服用できません。

<チアゾリジン薬(インスリン抵抗性改善薬)>

製品名:アクトス

筋肉や肝臓、内臓脂肪に作用して、肝臓での糖新生を抑制し、インスリン抵抗性を改善する働きを持ちます。副作用に浮腫や膀胱がん、肝機能障害があります。

内臓脂肪の多い肥満の方で、インスリン抵抗性がみられる方に用いられます。

<DPP-4阻害薬>

製品名:グラクティブ、ジャヌビア

小腸や十二指腸から分泌されるインクレチンの作用を長持ちさせる働きをします。インクレチンは血糖値を低下させるインスリンの分泌を増やして、血糖値を上昇させるグルカゴンの分泌を減らす作用を持っているので、結果的に血糖値を低下させます。

血糖が高い場合にだけ作用するので、血糖値が低い時に作用して低血糖を起こす心配もありません。新しい薬なだけに副作用などの心配もありますが、現時点での重篤な副作用の報告はありません。

<SGLT2阻害薬>

製品名:スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、カナグルなど

腎臓は老廃物を尿として排出し、ブドウ糖など体に必要な栄養素は血液中に再吸収します。
血液中にブドウ糖を再吸収する働きをSGLT2といい、この働きを阻害することでブドウ糖を尿糖として排出させ、血糖値を低下させます。

尿糖が増えるので泌尿器系の感染症にかかるリスクやエネルギーとなるブドウ糖が排出されてしまうので体重減少などの副作用があるとされています。まだ新しい薬のため、他の副作用がみられる可能性もあります。

4.経口血糖降下薬使用時の注意点

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・ 薬物療法が開始されると、薬を飲んでいるという安心から食事療法と運動療法がおろそかになると血糖コントロールが悪くなり、薬の作用も弱くなります。薬の量が増え、インスリン注射を行う必要も出てくるので、食事療法と運動療法は継続し、薬の量を減らせるようにしましょう。

・ 2型糖尿病でも、肝機能障害、腎機能障害、重度の感染症、足の壊疽がみられる場合、経口薬を服用しても血糖値のコントロールが改善しない場合などはインスリン注射の適応となります。

・ 経口薬の作用が強く効きすぎた場合は低血糖を起こします。低血糖になると冷や汗や顔面蒼白、眠気、ふるえなどがみられ、放っておくと昏睡となるので低血糖がみられたらすぐにブドウ糖を摂取しなければなりません。他の病気にかかった時にも血糖値が上下しやすく、低血糖や高血糖が起こりやすくなります。病気になった時はなるべく早く受診して主治医の指示に従うようにしましょう。

薬の副作用が我慢できない場合サプリメントを

どうしても薬の服用によって、副作用に悩ませられたり、食事療法や運動療法が継続できない場合などは、サプリメントの服用をオススメします。サプリメントには、選び方を間違えなければ血糖値を下げる効果のあるものも多く、特に水溶性食物繊維を配合しているものは、血糖値の改善に大変効果的です。辛い副作用などでお困りの場合、是非サプリメントを試してみてはいかがでしょうか。

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