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血糖値と睡眠の関係

皆さんは十分な睡眠がとれていますか?朝、すっきりと目覚めることができているでしょうか?睡眠時間は十分にとれているという方でも、睡眠の質が悪ければ、体や脳は十分に休むことができず、体にも良い影響を与えないのです。睡眠は、実は血糖コントロールとも密接な関わりを持っていて、睡眠時間の短縮や睡眠の質の低下が血糖値の上昇を起こす原因ともなっているのです。今回は睡眠にクローズアップして、血糖値と睡眠の関連性について探っていきましょう。これを読んで、ぐっすり眠り、血糖値のコントロール改善を目指しましょう。

<一般的な睡眠パターンって?>

眠りにつくと、レム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されます。レム睡眠は、浅い眠りで夢を見ていることが多く、脳を働かせるための眠りと言われています。このレム睡眠時には自律神経系が不規則に働いていたり、昼間に経験や学習したことを処理したり記憶したりしていると言われています。一方、ノンレム睡眠は、脳を休めるための眠りとも言われる深い眠りです。ノンレム睡眠時は、交感神経の働きは低下し、副交感神経の働きが活発となって、夜間の血圧や血糖値の安定や免疫機能の増加などに働いています。このレム睡眠とノンレム睡眠が交互に繰り返されることで質の良い睡眠が生まれ、疲労やストレスからの回復を行っているのです。

<血糖値が高くなると睡眠の質が悪くなる?>

血糖値が上昇し、血糖コントロールが悪い方は、脳が沈静化するノンレム睡眠の時間が十分にとれずに交感神経系が活発となり、早朝の血圧や血糖値の上昇を起こすと言われています。血糖値の上昇が睡眠障害につながり、それがまた血糖値の上昇を引き超すという悪循環になってしまうのです。血糖値の上昇はインスリン抵抗性を強め、早朝の高血圧や、中性脂肪値の上昇にも関与していると言われており、動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や脳梗塞などのリスクも高めるのです。

血糖値の上昇がみられる方は、交感神経の活動を低下させ、副交感神経を活発にすることで質の良い睡眠を得られるようになり、血糖値を下げることが期待できるのです。

質の良い睡眠って?

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質の良い睡眠とは、脳を十分に休ませることのできる睡眠です。質の良い睡眠が十分に取れないと、何か頭がすっきりしないような気がしたり、活動に意欲が湧かなかったり、体がだるい感じがしたりということが起こります。これは脳の機能が低下しているためであり、脳が休みたいというサインを出しているからなのです。脳が十分に休まることができた場合は、すっきりと目覚めることができ、活動にも意欲的に取り組むことができます。

・ 熟睡できるのは寝始めの3時間

人が寝始めて初めの3時間は脳がぐっすりと眠る深い眠りのノンレム睡眠が出現します。そのあとは、レム睡眠とノンレム睡眠の組み合わせが1.5時間ごとに出現します。体も頭もすっきりと目覚めることができるのは、この1.5時間のまとまりの区切れの部分で起きることです。3時間のノンレム睡眠の後ですから、眠りについてから4.5時間、6時間、7.5時間後に目覚めることが良いとされます。

・ ぐっすり眠れるかどうかは昼間の活動次第

ノンレム睡眠の時間と質は昼間の活動によって決まります。昼間に活動量が多いと脳が深い睡眠が必要と判断し、質の良いノンレム睡眠の時間をたっぷりととります。昼間の活動量が少ないとなかなか寝付けないのは脳が深い眠りが不必要と判断しているからなのですね。

・ 規則正しい生活のリズムが大切

人の睡眠は、生理的な体内リズムと実際の生活による睡眠と活動時間とのずれを修正しながら脳が眠気を生み出しています。生活のリズムを整えることは質の良い睡眠を生み出すことへとつながります。活動する時間、睡眠の時間が不規則になると脳が睡眠をコントロールしきれず、十分な睡眠の質と時間が得られなくなります。

<睡眠に影響を与えることって?>

睡眠は、成長ホルモンの分泌や、ストレスを感じた時、病気になった時など体の中の変化や外から受ける刺激によって変化します。成長ホルモンが分泌されるときは熟睡できる時間を多くとり、体の不調の修正や成長を促進させます。ストレスがかかった時は副腎皮質ホルモンが分泌され、睡眠が抑制されて不眠となります。ウイルスや細菌に感染した時は免疫機能が働き、熟睡の時間を作ります。このように、体の分泌するホルモンや免疫機能の働きによって睡眠の質は変化します。

<睡眠には個人差がある?>

少ししか眠らなくてもすっきりした目覚めを迎えられる方や9時間以上の睡眠をとらなければならない方など個人差があり、同じ人でも、以前はたくさん眠らなければいけなかったけれど、今は短時間でも大丈夫という具合に変動することがあります。これは、睡眠の質によるもので、短時間でもすっきりと目覚められる方は熟睡できるノンレム睡眠の時間が長く、睡眠の効率も良い方です。一方、長く眠らなければならない方は、レム睡眠の時間が長い方、ノンレム睡眠が浅い方、途中で良く目覚めてしまうなど睡眠効率の悪い方です

血糖値を下げる睡眠って?

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血糖値を下げるには質の良い睡眠が大切です。それは、熟睡できるノンレム睡眠の時間が十分に取れることと言えます。また、血糖値を下げるには、7~8時間の睡眠を確保することが良いとも言われています。これらを満たす睡眠をとるためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか?

<安心して眠ることのできる環境を整えよう>

・ 体に合った寝具・寝間着を選びましょう

体に合わない、不快を感じる寝具ではストレスを感じて脳がゆっくり休むことができません。自分の体に合う硬さやサイズ、素材、高さの布団やマットレスと枕を選びましょう。体に合わない寝具では、血流が滞り、肩凝りや腰痛、頭痛などの体の不調も引き起こし、ストレスの原因の一つとなって睡眠や血糖値に影響を与えます。体を締め付けるような服装も睡眠には適していません。ゆったりとしたデザインで肌触りの良い素材の寝間着を選びましょう。

・ 部屋の環境を整えましょう

あなたが眠る部屋は眠るために快適な条件が整っているでしょうか?室温・湿度は(夏25~28度、55~65%、冬18~22度、45~60%)、静かで光の入らない暗い部屋が眠るために適した環境です。

・ 規則正しい生活と日中の活動

不規則な食事や睡眠は体内時計を狂わせます。睡眠は体内リズムと日中の覚醒時間によってもたらされるので、規則正しい生活と日中の十分な活動時間が必要です。寝る前の食事や夜更かしは避け、決まった時間に布団に入り、太陽の光で目覚めることが理想です。

・ 眠る前にリラックスしましょう

交感神経が活発に働くと不眠となります。ストレスを遠ざけて副交感神経を働かせるようなリラックスできる状態が必要です。眠る前に心配事や悩みをあれこれ考えずに、日中に誰かに相談する、趣味やスポーツなどで体を動かしてストレスを発散するようにしましょう。ぬるめのお湯での半身浴やストレッチも血液循環が改善され、疲労物質が洗い流されるのでリラックス効果がありますよ。ヒーリング効果のある音楽を聴くことや温かいミルクを飲むこともいいですね。自分なりのリラックス方法を見つけてみましょう。

寝る前のスマホいじり、コーヒーなどのカフェイン入り飲料やアルコールを飲むことは脳を興奮させてしまいます。眠る前は、脳が安眠できるための準備を行うようにしましょうね。

・ 適切な睡眠時間を確保する

睡眠時間が足りなくても寝すぎても質の良い睡眠は生まれません。夜遅くに眠る方は、1時間早く眠るようにすることで質の良い睡眠になるとも言われています。だらだらと眠りすぎるのも効率の悪い眠りが増えるだけで脳が十分に休むことができません。理想の睡眠時間は7~8時間とされていますが、生活環境や年齢、性別によって個人差もありますので、自分にとって目覚めた後の体の調子が良いと感じるベストな睡眠時間を見つけるようにしましょう。

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