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血糖値を下げるには糖質の少ない食品や食物繊維が多く含まれる食品を摂ることが良いと言われています。「糖質制限ならもうすでに実践しているよ」という方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、血糖値を下げる食品よりもさらに一歩進んで、「血糖値を下げる成分」に着目してみましょう。血糖値を下げる成分とはどんな働きを持つのか、その成分が多く含まれるものにはどのようなものがあるのかを一緒に学んでいきましょう。

1.こんなにある!血糖値を下げる成分一覧

<インスリンの分泌を促進する成分>

・ γ(ガンマ)-オリザノール:玄米

高カロリー、高脂肪の食事を摂り続けて肥満になると、細胞にストレスがかかり、小胞体に不良なタンパク質が集まる小胞体ストレスという状態が起こります。小胞体ストレスは、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞を.細胞死させ、インスリンの分泌量を減少させるので血糖値を上昇させます。γ-オリザノールは小胞体ストレスを抑制してインスリンの分泌を促進します。また、血糖値を上げる作用を持つグルカゴンの分泌も抑制するので、血糖値を下げることに働きます。

<インスリン抵抗性の改善に働く成分>

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・ フラボンセロリ、パセリ、タイムなどの野菜やハーブなど
・ アントシアニン濃い赤や青紫色のブドウの皮、赤ワイン、赤や青の濃い野菜など

フラボン、アントシアニンは、ケルセチン、ケンフェロール、フラバノン、カテキン、イソフラボンなどと並ぶフラボノイドという成分のひとつです。このフラボノイドは抗酸化作用があり、炎症を軽減して糖尿病や心血管障害、肥満、癌などの疾患の発症を抑えます。また、インスリンが体に対して働きにくくなるインスリン抵抗性を改善する働きがあるので血糖値を下げる作用もあります。

フラボノイドは水溶性で体にとどまりにくく、食べた直後しか血中のフラボノイド濃度が上がらないので、毎食フラボンやアントシアニンを含む野菜やハーブなどを取り入れるようにしましょう。

<肝臓でのインスリンの作用に関係する成分>

・ 亜鉛:牡蠣や牛肉、いかなご、カニなど

膵臓のβ細胞からは、インスリンと一緒に亜鉛が分泌され、肝臓に作用して、肝臓でインスリンが分解されることを抑制し、全身へインスリンが送られています。しかし、亜鉛が膵臓のβ細胞から分泌されないと、インスリンは肝臓で分解されてしまい、全身に送られるインスリンの濃度が低くなって血糖値が上昇してしまいます。血糖値を下げるために、亜鉛は必要な成分です。

<糖の吸収を穏やかにする成分>

・ 1-デオキシノジリマイシン(DNJ):桑の葉

炭水化物に代表される食べ物の糖質は、消化後、小腸の上皮のαグルコシターゼによって分解され、血中に取り入れられます。αグルコシターゼによってブドウ糖がたくさん分解されて吸収されると血液中のブドウ糖が増えて血糖が急上昇します。

1-デオキシノジリマイシンは、ブドウ糖の構造ととてもよく似ていて、αグルコシターゼが1-デオキシノジリマイシンのことをブドウ糖と勘違いして結合するので、糖質をブドウ糖に分解することを防ぎ、血糖値の上昇を抑えます。

桑の葉には、1-デオキシノジリマイシンの他にもミネラルや食物繊維を多く含み、高血圧や高脂血症、肥満などの予防にも良いと言われています。

・ 食物繊維:>不溶性(セルロース、ヘミセルロース、リグニン、イヌリン)
      水溶性(ペクチン、グアガム、アルギン酸ナトリウム、グルコマンナン、オリゴ糖)

食物繊維は不溶性と水溶性に分類され、不溶性食物繊維は腸内環境を整えて便通を良くし、便秘による肥満の解消などの作用があります。水溶性食物繊維は、消化管での糖の吸収を穏やかにするので食後の血糖値の上昇を抑えます。また、脂肪やコレステロールなどの不要な物質を吸着する作用があるので動脈硬化脂質異常症高血圧などの予防にも働きます。

食物繊維が豊富な野菜や海藻などはカロリーも低く、良く噛まないと食べられないものが多くあります。体の中でゆっくり消化・吸収されるので腹持ちが良く、空腹を感じて間食したくなる気持ちも抑えてくれます。サラダなどの生野菜ばかりでは量を食べることが難しいので、茹でる、蒸す、煮るなどの調理法でカサを減らす工夫をしましょう。

セルロース:胚芽精米、玄米、ごぼうなど
ヘミセルロース:米ぬか、玄米、豆など
リグニン:ふすま、いちご、ココア、豆など
イヌリン:ユリ根、ごぼう、菊芋など
ペクチン:いちご、りんごなど
グアガム:
アルギン酸ナトリウム:昆布、わかめ、モズクなど

<糖の代謝に関係する成分>

・ エピガロカテキンガレート(EGCG):緑茶

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エピガロカテキンガレートは、膵臓で作られるα-アミラーゼが食事で摂取したデンプンをブドウ糖に分解する働きを抑制し、食後の血糖値の上昇を抑制する効果があります。エピガロカテキンガレートは、緑茶に代表されますが、米やパンなどのデンプンと一緒に消化されなければ効果を発揮しないので、炭水化物と同時に緑茶(湯呑1杯)を摂ることが効果的ですよ。

・ コロソリン酸:ゴーヤ、バナバ葉

ゴーヤに含まれるコロソリン酸は糖を細胞の中に吸収させやすくする作用を持ち、血糖値を下げると言われています。

・ ビタミンB1:米のぬかや、豚肉、レバー、豆など
・ マグネシウム:アーモンドやクルミなどのナッツ類、ひじきや昆布、海苔、わかめなどの海藻類
・ クエン酸:酢や梅干し、レモンなど

食事で摂取した糖質をブドウ糖に分解し、体の各細胞でエネルギーとして利用する一連の流れを糖代謝と言いますが、この糖代謝を促すのがマグネシウムとビタミンB1です。ブドウ糖をエネルギーとして利用しやすくする役割をしています。マグネシウムとビタミンB1は一緒に摂取することが重要ですが、マグネシウムが体に吸収されやすくなるためには、さらにクエン酸も一緒に摂りましょう。

例えば、主菜に豚肉の茹でしゃぶ(梅肉添え)、副菜にひじき煮、汁物にわかめのみそ汁などのメニューにすると、ビタミンB1、マグネシウム、クエン酸を一緒に摂ることができますね。

<抗酸化作用を持つ成分>

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・ ポリフェノール(イソフラボン、ケルセチン、カテキン、クロロゲン酸、カカオマス、アントシアニン、ルチンなど)
・ カロテノイド(リコピン、カプサイシン、β-クリプトキサンチン、アスタキサンチンなど)
・ ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンU
・ スルフォラファン
・ アリシン
・ クエン酸
など

体の中で使われなかった酸素は活性酸素となって体の組織や細胞を老化させます。活性酸素は連鎖を起こすので、一度老化が始まると、体の中からどんどん老化は進んでいきます。細胞や組織、血管はストレスを受けやすい状態となって傷つきやすくなり、細胞死や動脈硬化を促進させて糖尿病などの生活習慣病を発症するリスクが高まります

抗酸化作用を持つ成分は、活性酸素の働きを抑制して、糖尿病を発症するリスクを低減するのです。

イソフラボン:大豆
ケルセチン:玉ねぎ
カテキン:緑茶
クロロゲン酸:コーヒー
カカオマス:チョコレート
アントシアニン:赤ワイン
ルチン:そば
リコピン:トマト
カプサイシン:唐辛子
β-クリプトキサンチン:みかん
アスタキサンチン:
ビタミンA:カボチャ、にんじん
ビタミンC:アセロラ、ゆず、レモン
ビタミンE:アボガド、アーモンド
ビタミンU:キャベツ
スルファラファン:ブロッコリースプラウト
アリシン:にんにく
クエン酸:酢、梅干し、レモンなど