糖尿病を語るには外せないキーワードである血糖値ですが、血糖値ってそもそも何の値か知っていますか?健康な人は普段の生活の中で血糖値を測るなんて機会もなく、自分の血糖値がどれくらいか知っている人は少ないですよね。

血糖値が高くなったら糖尿病となるわけですが、実は血糖値が高くなっても自覚症状はほとんど表れず、自分では気づかないことが多いのです。知らないうちに血糖値が上がって糖尿病になっていたら…と思うと怖いですよね。

ここではそんな聞いたことはあるけど馴染みの少ない血糖値について詳しく解説していきますね。

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血糖値は糖尿病の診断や治療をするうえで大切な指標となる数値です。テレビCMでも「血糖値が高めの人に」という商品がよく宣伝されていますよね。血糖値が高くなれば糖尿病となるリスクが上がります。「じゃあ、血糖値は低い方がいいのね」と思われがちですが、低すぎても命に関わる大変な症状を引き起こすのです。

では、血糖値の正常値って一体どのくらいなのでしょうか?血糖値とはそもそも何の値なのでしょうか?血糖値の正常範囲=基準値を知って、糖尿病のことをもっとよく知っていきましょう。

1.血糖値って?

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血糖値とは、身体の中の血液中に含まれるブドウ糖の濃度です。炭水化物(米、パン、麺類、芋類など)や砂糖などの糖質を含む食べ物が体の中で消化されるとブドウ糖へと形を変え、小腸から吸収されます。吸収されたブドウ糖は、グリコーゲンへと変換され、肝臓に貯蔵されるものと血液中に残るものとに分けられます。この血液中に残ったブドウ糖を血糖と言い、ブドウ糖がどれくらい血液中に含まれているかを表す値を血糖値と言います。

血糖値の単位はmg/dlであり、血液1dl(100ml)中にブドウ糖が何mg存在するかで表されます。

<血糖の働きとは?>

血液中のブドウ糖は全身に送られ、筋肉を動かすためのエネルギーとして使われる他、一部はグリコーゲンとして筋肉に蓄えられます。エネルギーとしても利用されず、グリコーゲンとして蓄えられることもなかった血糖は脂肪となって蓄積されます。

肝臓や筋肉に蓄えられたグリコーゲンは次の食事でブドウ糖が得られるまで、体のエネルギーとして必要に応じて利用されますが、消費されずに残ってしまうと脂肪となって蓄積されてしまいます。つまり、食べた量が動く量よりも多ければ、脂肪となって体につくというわけですね。

2.血糖値の種類

血糖値は食事で摂った糖質に影響されて変動しますが、健康な方は食後に血糖値が上がってもインスリンが分泌されるので血糖値は下がります。糖尿病の判断や糖尿病の治療を行う上での重要な指標となる血糖値は測定するタイミングによって3つの種類があります。血糖値は血液検査によって測定されます。

<随時血糖値>

測る時間を決めずに測定する血糖値です。
・ 糖尿病型:200mg/dl以上

<空腹時血糖値>

食事の前の血糖値で、通常、検査する日の朝食を抜いた状態で測ります。健康診断などで測定される血糖値です。
・ 正常型:110mg/dl未満(正常高値100~109mg/dl)
・ 糖尿病型:126mg/dl以上
・ 境界型:110~126mg/dl未満

<食後2時間血糖値(空腹時血糖値+75gOGTT)

75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)って?
10時間以上飲食をしない状態で、75gのブドウ糖を水に溶かした液を飲み、飲んでから2時間後の血糖値を測定します。明らかな高血糖が認められる場合は75gOGTTによってさらに高血糖となり、危険なため行わないこともあります。

・ 正常型:空腹時血糖値110mg/dl未満、75gOGTT2時間後血糖値140mg/dl未満
・ 糖尿病型:空腹時血糖値126mg/dl以上、75gOGTT2時間後血糖値200mg/dl以上
・ 境界型:空腹時血糖値110~126mg/dl未満、75gOGTT2時間後血糖値140~200mg/dl未満

3.血糖値のみかた

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空腹時血糖値で糖尿病型、境界型の場合、75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)が行われます。正常高値で合った方は、「正常値で良かった」とほっとするのは早いですよ。正常高値の場合は、糖尿病となるリスクが高いため、75gOGTTが行われることがあります。

上記の3つの検査の血糖値で糖尿病型とされる血糖値がみられた場合は後日に再検査を行います。再検査でも糖尿病型の血糖値であった場合は糖尿病と診断されます。

4.境界型って?

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正常値と糖尿病型の間の血糖値の方は境界型と呼ばれます。境界型はどんな状態なのでしょうか?境界型は「今のままの食生活、運動をしない習慣、ストレスがかかる環境で生活していると糖尿病になってしまいますよ。」という状態です。糖尿病とならないうちに栄養バランスの摂れた食事と毎日の運動習慣、ストレスを溜めずに発散できる趣味や活動を見つけて生活習慣の改善を行いましょう。今ならまだ糖尿病から遠ざかることができますよ。

5.血糖値が低くなるとどうなるの?

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血糖値が高値の場合は糖尿病型と診断されますが、血糖値が低値の場合は基準がありません。血糖値が低くなるとどうなるのでしょうか?低ければ低いほど良いのでしょうか?実は、血糖値が低くなりすぎると低血糖という状態となり、処置が遅れると命にかかわる大変な危険な状態になるのです。

<低血糖って?>

低血糖に基準値はありません。一般的に70mg/dl未満であれば低い値とされますが、人それぞれもともとの血糖値が異なり、低血糖症状が現れる値も違います。その日の体調にも左右されるので、血糖値で判断するのではなく、低血糖症状がみられたらその人は低血糖を起こしていると考える方がいいでしょう。

<低血糖症状って?>

血糖が下がると血糖を上昇させようと交感神経系のホルモンが働き、空腹感、冷や汗、動悸、眩暈、あくび、倦怠感、顔面蒼白、ふるえ、無気力などの自律神経症状が現れます。さらに症状が進むと意識消失や痙攣、昏睡などの脳の働きが低下する中枢神経症状が現れ、放っておくと死に至ることもあります。

<低血糖になったら?>

低血糖症状がみられたらすみやかにブドウ糖をなめる、または砂糖水を飲みましょう。糖分がたくさん含まれる甘いジュースなどでも構いません。自分で飲むことができない場合は、液体を無理やり流し込むと肺に流れて危険ですのでブドウ糖や砂糖を歯茎に擦りこむようにしましょう。グルカゴン注射が手元にあり、低血糖時に注射する指示が出ている場合は使用しましょう。以上の処置を行っても回復しない場合、意識がない場合は救急車を呼びましょう。

低血糖症状とならないためには、食事の間隔を空けないように1日3回の食事時間を守る、激しい運動は食前に行わない、運動前は捕食するなど低血糖を予防することが大切です。低血糖症状に留意し、ブドウ糖や砂糖などをいつでも補給できるように、家の中では手の届く場所に、外出時は持ち歩くようにしましょう。

6.長期間の血糖値がわかる値

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<HbA1c(グリコヘモグロビン)って?>

赤血球の中に存在するヘモグロビンは体全体に酸素を運ぶ働きをしていますが、血液中のブドウ糖と結合するとグリコヘモグロビンになります。HbA1cはグリコヘモグロビンに変わったヘモグロビンがどれくらいあるかを調べる検査で血糖が高いほどグリコヘモグロビンの量は増えます。グリコヘモグロビンの寿命は4か月と長いため、過去1~2カ月という長期間の血糖値の状態を知ることがきます。

・ 基準値:4.6~6.2%
・ 糖尿病の合併症予防目標値:7.0%未満
・ 血糖値の正常化:6.0%未満
(すべてNGSP値:HbA1c の表し方はNGSP値(国際標準)とJDS値(日本標準)があります。

食事を抜くと血糖値は下がりますが、グリコヘモグロビンの値は下がりません。明日検査だからと言って直前に食事制限をしたら、血糖値は下がるけれどもHbA1c(グリコヘモグロビン)の値は変わることはないということです。1~2カ月前間の血糖コントロールがわかるので糖尿病の治療の指標として欠かせない値です。