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腎不全や網膜症、神経障害などの重篤な合併症や心臓病、脳血管障害を引き起こして命の危険にもさらされる糖尿病。

日本ではそんな怖い糖尿病を発症する人が年々増えているのです。

糖尿病にならないためにはどうすれば良いのでしょうか?

予防の鍵は食事にあります。

今日からすぐに実践できる、糖尿病にならないための食事について一緒に学んでいきましょう。

1.どうして食事が糖尿病の予防になるの?

日本人の糖尿病患者のほとんどを占める2型糖尿病は、食べ過ぎ、運動不足、ストレスなどの要因により、インスリンの分泌量が不足することやインスリンの働きが弱くなることで発症します。

昔の日本は食べ物も十分といえるほどなく、質素な食生活を送ってきたので、洋食中心の欧米人に比べると、少ないインスリンの分泌量で事足りてきたのです。

しかし、食の欧米化や飽食の時代となり、カロリーが高くて脂肪のが多い食事をたくさん食べる習慣へと変わったことで、今までのインスリンの分泌量では追い付かなくなったのです。

体はインスリンの分泌量を増やして対応しようとしますが、毎日ブドウ糖が血中に過剰に余るほどのエネルギーの多い食事を続けていると、インスリンの働きまでもが弱まってしまいます。

インスリンの働きを改善するには、食べ過ぎや食べ物に気を付けてインスリンの分泌量と働きに見合った食事をしなければならないのです。

そして血糖値を上げない食べ方をするということも有効な予防手段となります。

では、具体的にどのようなことに気を付ければ良いのかをみていきましょう。

2.適正カロリー守ろう

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自分の体重に見合った1日の適正カロリー量を超えないように食事をしましょう。

1日の適正カロリーは、標準体重(身長(m)×身長(m)×22)×身体活動量(軽労作25~30kcal/kg、普通の労作30~35 kcal/kg、重労作35~ kcal/kg)で求められます。

食事から摂るエネルギーが多くなると、血液中にブドウ糖が溢れてインスリンが処理しきれず、高血糖となります。高血糖状態が続くとインスリンの効きも悪くなってしまいます。

3.規則正しい生活を送ろう

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規則正しい生活のリズムは、体の内臓や組織の働きにも良い影響を与え、血糖値を下げる作用を促します。

間食を挟むと、食後の血糖を処理しきれないまま、また血糖が増えるので、高血糖につながります。

1日2回食など、食事と食事の間の時間が空くと、インスリンの反応が鈍くなり、食後の高血糖を起こします。

4.栄養バランスの良い食事をしよう

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<栄養バランスの良い食事って?>

三大栄養素は、次の3つです。

・ 炭水化物:血糖となって、体のエネルギーに使われます。

・ タンパク質:筋肉や血液を作ります。

・ 脂質:エネルギーとなりますが、摂りすぎると肥満や動脈硬化を起こします。

それに、ビタミンとミネラル、(食物繊維)が加わり、五大栄養素と呼ばれます。

・ビタミン、ミネラル、食物繊維:体の働きを整える役割をします。食物繊維は血糖の上昇を抑え、動脈硬化を予防します。

<食事の構成>

1日の食事で、五大栄養素がバランスよくとれるように、主食(白米やパン、麺など、炭水化物)、主菜(肉や魚、卵、大豆など、タンパク質+脂質)、副菜(野菜やきのこ、海藻など、ビタミン+ミネラル+食物繊維)を組み合わせます。

・ 主食=摂取カロリーの1/2

・ 主菜=摂取カロリーの1/4

・ 副菜=1日350ℊ以上

1日3回の食事で分けて摂るようにし、間食などで、乳製品、果物を摂るようにしましょう。

<調理法でカロリーダウン>

1食分の主菜は、1日摂取カロリーの1/12となるので、1日の適正カロリーが1700kcalの方であれば、約140 kcal=焼き魚1切れ分となります。

油分をたくさん使うフライや天ぷら、ソテーなどの調理法にすると、またたく間にカロリーオーバーとなってしまいます。

とは言っても、全く食べないのもストレスとなりますよね。

・ 揚げないフライヤーやレンジの活用

・ フライパンで、少量の油で揚げ焼きにする

・ 大きな塊で揚げる

・ 衣を薄く、油の吸収の少ないものに変える

などの工夫でカロリーオフを図りましょう。

副菜の味付けにも、バターマヨネーズ、油分の多いドレッシングなどを多用しないように気を付けましょう。

<おすすめの食材は?>

・ 緑黄色野菜:小松菜、かぼちゃ、にんじん、トマト、ブロッコリー、ほうれん草など

・ きのこ:しめじ、しいたけ、えのきなど

・ 海藻:めかぶやわかめ、ひじきなど

特に食物繊維の多いひじき、きくらげ、ゴボウ、豆類、モロヘイヤなどは、便通を良くし、肥満の解消にもつながる他、糖の吸収を穏やかにするとも言われているので積極的に摂りたい食品です。

これらの食品を使ったメニューを小鉢なら1日5品、主菜に野菜をたっぷり使った場合は大皿1品+小鉢4品を目安として摂るようにしましょう。

主菜の肉類は、体をつくるための大切な栄養素でもありますが、脂肪分が多いとエネルギーや脂質の摂りすぎになります。

・ 牛肉や豚肉はヒレやもも、かたなどの赤身

・ 鶏肉は皮や脂肪の少ないむね肉やささみ

などの部位を選ぶようにしましょう。

<主食の工夫でカロリーオフ>

ついつい食べ過ぎてしまいがちなご飯やパン、麺類などの炭水化物

1日の適正カロリーが1700kcalの方なら1日800kcal。1食分では270kcalほどの計算となります。

白米のご飯だったら茶碗1膳強。コンビニのおにぎりだったら1個半分です。(ただし具材が入っていない場合です。)

食パンであれば、4~5枚切り1枚分に相当します。これにバターやジャムをつけるとあっという間にカロリーオーバーですよね。

うどんであれば、1玉分。中華麺やスパゲティは2/3玉分です。

ここで注意したいのが、この値が何も加えていない白米や食パン、麺類のカロリーであるということです。

チャーハンやフレンチトースト、麺類はスープなどが加わると1食分のカロリーには収まりません。

・ 小さめのご飯茶碗を使う

・ 玄米や玄米パンを選ぶと、カロリーも抑えられ、食物繊維やビタミンもとれます

・ バターやジャムのつけすぎ、つゆやスープの飲み干しに注意する

<野菜から食べよう>

お腹がすいているとつい、主食に手を伸ばしがちですが、野菜やきのこ海藻類から食べ始めると血糖値の上昇が緩やかになります

サラダなど、カサのあるものを良く噛んで食べることで空腹感が満たされ、食べ過ぎを防ぐ効果もありますよ。

お箸を持ったまま食事に集中していると、次々に箸が進んでしまいます。一旦箸を置いて休憩しながらゆっくり食べ進めることがおすすめです。

<味付けにも一工夫>

濃い味付けはご飯を食べすぎる原因となり、砂糖や塩分の摂りすぎにもなります。高血糖や高血圧のリスクが上がるので、薄味にし、しょうがやレモン、柑橘類、酢、ハーブなどの香辛料を上手く利用しましょう。

調味料で使用する砂糖は 、上白糖よりも黒糖、低カロリー甘味料のラカントやステビアなどを利用するのも良いですね。

<間食はしてもいいの?>

基本、間食はしない食生活のリズムがつけられることが一番ですが、口さみしくなってしまう時はありますよね。

食事で乳製品や果物を摂らない方は、牛乳やヨーグルト、果物などを少しとることもいいでしょう。

・ きのこや海藻、こんにゃくなど、カロリーのない常備菜を作り置きして食べる

・ ノンカロリーの温かいお茶でティータイムを楽しむ

・ 家にお菓子やジュースなどの買い置きはしない

・ 余分なものを買わないようにお腹がいっぱいの時に買い物に行く

食べたい欲求を抑えられないときは、

・ 歯を磨く

・ 散歩に出掛ける

・ 音楽を聴く

・ 部屋の片づけをする

など、何か他に集中できること、気分転換できることを行いましょう。

<お酒は飲んでもいいの?>

血糖と体重のコントロールが良好で合併症もなく、服薬もしていない方は、適量を守って飲むことができればアルコールは絶対ダメということはありません。ですが、この適量を守れないのがアルコールのもたらす数々の誘惑です。

アルコールに関しては適量を守れないことが多いので、原則飲まないようにした方が良いでしょう。

なぜかというと、アルコール自体が中性脂肪値を上昇させ、一緒に食べる濃い味のおつまみがさらに塩分や脂質、エネルギーの摂りすぎを招きます。

長期間の飲酒はアルコール性神経障害やアルコール性肝炎などの病気も起こします

アルコールは血糖値を下げる作用もあり、アルコール性低血糖となる危険もあります。酔いが回っていると低血糖状態に自分も周りも気づかず手遅れになることもあります。

5.ストレスとならないよう、規則正しくバランスの良い食事を継続しよう

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これまでお話ししてきた内容の食事を、毎日継続することが大切です。

外食も、品数の多い和定食を選ぶことや次の食事で調整することで楽しめます。糖尿病専門の宅配食やレトルト食品などを利用してストレスとならないように上手に続けていきましょう。