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健康診断は学校や職場で毎年受けているという方もいらっしゃいますよね。けれども組織に属していない方は、自分で足を運ばないと受けられないものなので、スルーしている方も多いのではないでしょうか?

糖尿病は長年の不摂生が積もり積もって引き起こされます。非常にゆっくりと症状が進行し、自覚症状も初期のうちはあまり出ないので、失明足の壊疽脳梗塞になって意識を失うまで、自分が糖尿病だと気づかない人だって多いのです。

突然、「目が見えなくなる」「足を切断しなくてはならない」「重篤な麻痺が体に残った」なんてことになったら恐ろしいですよね。

実は、糖尿病は健康診断で発見されることも多い病気なのです。手遅れになってしまわないうちに、糖尿病の兆候を見つけられたら何よりですよね。

ここでは、そんな気になる健康診断からわかる糖尿病のことについて詳しく解説していきます。

1.健康診断ってどんなことをするの?

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健康診断は会社や学校で行われる定期健診、各市町村で行われる住民健診や、中小企業に勤める会社員とその家族が加入している協会けんぽ、各病院や健診センターなどで行っている人間ドッグなどがあります。

<生活習慣予防健診と特定健康診査って?>

協会けんぽでは保険者(本人)に対して生活習慣病予防検診(一般健診)、被保険者(家族)に対して特定健康診査を行っています。

気づいた時には突然死重篤な後遺症をもたらす心筋梗塞や脳出血を発症することもある生活習慣病。年々、発症する患者数は増えているのです。

糖尿病や脂質異常症、高血圧などの生活習慣病は「メタボ」の名で知られているメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と深い関係にあります。

そんな糖尿病や脂質異常症などの元凶となる「メタボ」の早期発見と、生活習慣病になってしまうリスクを減らすための健診です。

○ 生活習慣予防健診

・ 対象年齢:35~74歳
・ 健診内容:問診、診察、身体計測、視力、聴力、尿検査、便潜血反応検査、血液検査、心電図検査、胸部レントゲン検査、胃部レントゲン検査、(対象者のみ:眼底検査)
・ 費用:最高7038円(+眼底検査78円)

○ 特定健康診査

・ 対象年齢:40~74歳
・ 健診内容:診察、問診、身体計測、血圧測定、血中脂質検査、肝機能検査、血糖検査、尿検査(対象者のみ:心電図検査、眼底検査、貧血検査)
・ 費用:自己負担額-6250円

<他にもある!健康診断>

一般的に行われる健康診断に追加して行う健診です。

○ 付加健診

・ 対象年齢:上記の生活習慣予防検診を受けた40歳、または50歳の方
・ 健診内容:尿沈渣顕微鏡検査、血液学的検査、生化学的検査、眼底検査、肺機能検査、
     腹部超音波検査
・ 費用:最高4714円

他にも乳がん検診子宮頸がん検診肝炎ウイルス検査なども受けることができます。

2.健康診断で行われる検査ってどんな内容?

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健康診断では色々な検査が行われます。「異常なしだった」、「異常ありだった」の検査結果だけで終わるのではなく、それぞれの検査が何を意味しているのかということを自分でわかっていると自分の体の状態もよく知ることができますよね。

糖尿病と関係のある検査について、検査でわかること、検査の基準値、注意したい病気などについて詳しく説明していきます。

<問診>

検査当日と前日の食事内容、体調、気になる症状の有無、コーヒーなどの嗜好物、喫煙歴、服薬歴、既往歴などを問う項目があります。

糖尿病は食べ過ぎ運動不足アルコールの多飲喫煙習慣など様々な生活習慣から起こる病気です。問診は、日頃の生活習慣が把握できる大切な診断材料となる情報です。偽りなく正直に記入しましょうね。

<身体計測>

身長、体重、腹囲の計測を行って肥満度を調べます。肥満度は身長と体重から割り出されるBMI値と腹囲の値で判断されます。

腹部の周りに脂肪がつく内臓脂肪型肥満はメタボリックシンドロームのリスクが高く、メタボの方は糖尿病も発症しやすくなります。

○ 基準値

・ BMI
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
標準値は22、基準値は18.5~25未満

・ 標準体重
標準体重=身長(m)×身長(m)×22

・ 腹囲
男性:85㎝未満、女性:90㎝未満

○ 注意が必要な病気

肥満だと動脈硬化、糖尿病、脂質異常症、高尿酸血症などの生活習慣病
痩せすぎだと栄養不良や消化器系、代謝・内分泌系疾患

<血圧測定>

血圧の上と下とよく言いますが、心臓から全身に送り出される時の血圧が収縮期血圧(最高血圧)、全身から血液が心臓に戻って広がった血圧が拡張期血圧(最低血圧)です。

高血圧があると動脈硬化が進み、糖尿病の発症リスクを高めます。

○ 基準値

・ 収縮期血圧:140mmHg未満
・ 拡張期血圧:90mmHg未満

○ 注意が必要な病気

高血圧症、動脈硬化症、心筋梗塞、脳梗塞、脳卒中

<血中脂質検査>

血液中の中性脂肪、総コレステロール、HDL-コレステロール、LDL-コレステロールを測定します。

中性脂肪は溜まりすぎると肥満となり、糖尿病発症のリスクが高くなります。コレステロールは、特に悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールが血液中に多くなると、動脈硬化が進む原因となります。

○ 基準値

・ 中性脂肪:150mg/dl
・ 総コレステロール:140~199 mg/dl
・ HDL-コレステロール:40 mg/dl以上
・ LDL-コレステロール:120mg/dl未満

○ 注意が必要な病気

脂質異常症、動脈硬化、糖尿病、肝硬変、腎臓病、膵炎、甲状腺機能異常

<代謝系の検査>

代謝系の検査は糖尿病と直接関係する検査です。

空腹時血糖やヘモグロビンA1C値が高値であったり、尿糖が陽性となったりすると糖尿病である可能性が高くなります。尿酸値の検査は糖尿病と併発しやすい高尿酸血症であるかがわかります。

○ 基準値

・ 空腹時血糖:110mg/dl未満
・ 尿糖:陰性
・ ヘモグロビンA1C(NGSP値):6.0%未満 
・ 血清尿酸:7.0mg/dl以下

○ 注意が必要な病気

糖尿病、高尿酸血症、甲状腺機能亢進症、肝硬変、腎機能障害

<肝機能検査>

糖尿病と一見関係なさそうに思える肝臓ですが、実は深い関係があるのです。肝臓はブドウ糖や脂肪などの体の栄養となる物質を蓄え、必要に応じて放出しています。

しかし、体の中のブドウ糖や脂肪などが多くなりすぎると、肝臓の機能はパンクして衰えてしまいます。糖尿病やメタボリックシンドロームの発症によってさらに肝臓の働きは弱まります。

肝機能と糖尿病とメタボは、お互いに悪影響を与えあう関係にあるのです。

○ 基準値

・ GOT(AST):35U/L以下
・ GPT(ALT):35U/L以下
・ y-GTP(y-GT):55U/L以下

<腎機能検査>

腎臓も糖尿病と関係している臓器です。糖尿病の三大合併症の1つである糖尿病性腎症を起こすと腎機能が低下します。

腎機能は尿検査の尿たんぱく値で判断されます。

○ 基準値

尿たんぱく値:陰性

○ 注意が必要な病気

糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、尿路感染症、溶血性貧血

<眼底検査>

眼底の血管は直接観察することができ、糖尿病性網膜症を発症しているかがわかります。

○ 注意が必要な病気

糖尿病網膜症、高血圧、動脈硬化、白内障、緑内障、加齢黄斑変性

3.健康診断で再検査の通知が来たらどうするの?

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健康診断を受けたら、受けたことで満足してしまっていませんか?手元に返ってきた検査結果に「要再検査」と書かれていたら、どうすればよいのでしょう?

「要再検査」ということは、何らかの異常がみられ、もう一度詳しく検査する必要があるということです。もちろん、再検査を受ける全員が重篤な病気にかかっているわけではありません。再検査を受けた結果、異常がない人だっています。

ですが、放っておいてはいけません。病院を受診するようにしましょう。会社で健康診断を受けた方は病院が指定されていることもあるので一度担当者にご確認くださいね。

健康診断を受けることで、重篤な状態となる前に糖尿病の兆しを発見することができます。今回の結果が「異常なし」でも、1年の間に症状が現れることもあるので、来年もまた健康診断を受けましょう。