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知っていましたか?糖尿病って何が一番怖いかというと、合併症なのです。

ある日、突然意識を失い、身体に麻痺が残ることもある脳梗塞や突然死の原因である心筋梗塞、失明する網膜症、足を切断することにもなる神経障害、一生涯、週3回の人工透析に通うか腎移植を行わなければならない腎症など、糖尿病から起こる合併症はどれも重篤な病気ばかりなのです。

特に、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症といわれており、糖尿病を発症してから10~15年経つと発症すると言われています。

その他にも、水虫や歯周病、認知症など…。糖尿病にかかると治りにくい病気を色々と引き込んでしまうのです。

ここではそんな、なってしまうと大変な糖尿病の合併症について詳しく説明していきたいと思います。

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1.糖尿病性神経障害

糖尿病性神経障害は、糖尿病の三大合併症である網膜症、神経障害、腎症のうち、一番早くに現れる合併症です。

始めは手足のしびれや感覚鈍麻の症状から起こることが多いのですが、「なんか足の先がしびれるなー。」くらいだと軽く捉えてしまうことが多く、気づいた時には足に傷や火傷を負っていて皮膚の深い組織まで損傷が及び、「足が壊疽して切断に」なんてことになるのです。

他にも自律神経や運動神経も障害されるので、便秘や下痢、眩暈、膀胱傷害、顔面神経麻痺など、様々な症状を起こします。

糖尿病性神経障害について正しい知識をつけ、手遅れとなる前に対処できるようにしましょう。

多発性神経障害って?

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多発性神経障害は、手足の先まで走っている感覚神経や運動神経の障害です。

主な症状は以下の通りです。

・ 手足のしびれや痛み(足先のしびれから始まり、徐々に手足全体の症状へと広がっていきます。)
・ 感覚鈍麻
・ 足の裏に皮がもう一枚貼りついているような感触や虫が這うようなムズムズ感などの異常感覚
・ 安静時や夜間のこむら返り
・ 怪我や火傷をしても気づきにくく、放っておくと潰瘍となり、壊疽に至って切断となることもある
・ 手足の筋肉の萎縮や筋力低下

手足のしびれや痛みは、ピリピリ、チクチク、ズキズキ、ジンジン、ヒリヒリなどと表現され、安静時や夜に増悪します。手足の痛みやしびれの症状が運動の機会を減らし、全身の筋力低下にもつながります。

自律神経障害って?

自律神経は、体温や血圧の調節や心臓や胃腸などの内臓の働きを自律的に調整している神経です。

自律神経に障害が起こると、自律神経が関わっている体の働きが障害され、以下のような症状が現れます。

・ 立ちあがった時に血圧が急に下がってふらつきや眩暈などが起こる立ちくらみ
・ 心臓の動きが不規則になる不整脈
・ 尿が溜まっていても尿意を感じず排尿困難となる尿閉や反対に膀胱が過活動となり、尿が無意識のうちに出てしまう尿失禁などの排尿障害
・ 腸の活動が障害され便秘や下痢になる
・ 汗を異常にかいたり、全く汗が出なくなったりする発汗障害
・ 勃起障害

単一性神経障害って?

神経に栄養を送っている細い血管が血栓で詰まり、神経に血液が通わなくなってその神経が支配している部分にだけ起こる症状です。脳神経障害や四肢・体幹の神経障害、腰仙部根神経叢神経障害などがあります。

・ 顔の筋肉が麻痺して、顔面の半側が歪む、口角が下がる、瞼を閉じることができないなどの症状が出る顔面神経麻痺
・ 眼球の動きのバランスをとっている外眼筋が麻痺して、二重に物が見える症状が出る外眼筋麻痺
・ 耳鳴りや聴力低下などの症状が出る聴神経麻痺
・ 手根管症候群、橈骨神経麻痺、尺骨神経麻痺など手のしびれ、麻痺、筋萎縮など
・ 臀部、大腿部の痛みを伴う筋萎縮、筋力低下

2.糖尿病性神経障害はどんな検査をするの?

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神経障害になると、アキレス腱反射の低下や消失が早期からみられるため、アキレス腱反射の検査は良く用いられます。

その他、神経の伝達速度の測定や、心臓の働きをみるための心電図検査、膀胱機能をみるための超音波検査など、神経障害によってみられる症状に応じて各種検査を行います。

3.糖尿病性神経障害はどんな治療をするの?

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<ソルビトールが溜まる?>

神経障害は、血液の流れが滞り、神経細胞にソルビトールという物質が溜まることによって起こる症状なので、血液の流れを良くするために血糖コントロールの改善を行います。

血糖コントロールでも改善がみられない場合は、神経障害を起こしているソルビトールが溜まることを防ぐアルドース還元酵素阻害薬や血液の流れを良くする薬などの薬物療法が行なわれます。

対処療法として、痛みがある場合は鎮痛薬、便秘や下痢などの症状には整腸薬など各症状に対する薬が処方されます。

4.糖尿病性神経障害、日常生活で注意することは?

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糖尿病性神経障害が進行すると神経麻痺となって感覚がなくなり、足に潰瘍や壊疽ができやすく、場合によっては切断が必要になります。

また、低血糖を起こしても症状が出ず、突然、意識を喪失したり、心筋梗塞を起こしても痛みが出ないまま重篤な発作を起こして突然死を起こしたりします。

血糖のコントロールも上手く行かなくなり、痛みによる睡眠不足やうつ症状がみられることもあります。

以上のような症状に発展する前に、感覚が鈍い手足に怪我や火傷がないかを毎日チェックし、症状を悪化させやすいアルコール、喫煙、濃い味付けの料理は控え、血糖値の管理を徹底するようにしましょう。