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糖尿病は検査が欠かせません。というのも、糖尿病は自覚症状が出にくく、自覚症状が現れたころには失明や足の切断などをすでにとりかえしのつかないことも…。

糖尿病ということがわかったら、定期的に検査をきちんと受けて自分の病気と向き合いましょう。病状を把握して、血糖値のコントロールが図れていれば仕事も趣味も継続でき、周囲と同じように日常生活が送れます。

自分の体の状態を知り、糖尿病としっかり向き合っていくためにも、検査の内容とその検査が意味することを理解し、検査を受けることの大切さを学びましょう。

1.糖尿病の診断のために用いられる検査って?

一般的な健康診断では、10時間以上絶食した後の採血と採尿が行われ、空腹時の血糖値と尿糖を調べます。

<空腹時の血糖値>

・100mg/dl:正常域
100~110mg/dl未満:正常高値(高血圧症や脂質異常症などを伴う場合は要注意)
110~126 mg/dl未満:境界域(糖尿病の疑い)
126mg/dl以上:糖尿病域(糖尿病の疑いが強い)

血糖値126mg/dl以上が糖尿病の疑いがありますが、110mg/dl以上の方や110mg/dl未満でも高血圧症や脂質異常症などがある方、自覚症状などその他の情報から医師が必要と判断した場合は、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を受けることになります。

<尿糖検査>

尿の中にブドウ糖が排出されているかをみる検査で、陽性となった場合は糖尿病が疑われます。

尿糖は血糖値が170mg/dl以上でないと検出されず、血糖値が170mg/dl未満であった場合や、腎機能が低下している高齢者では尿糖が出ない場合もあるので、陰性の場合でも糖尿病を否定することはできません。

<経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)>

空腹時の血糖値や尿糖検査で糖尿病の疑いがある人に対して、糖尿病の確定診断を行うために行われる検査で、75gのブドウ糖を飲んだ後の血糖値を測定します。

<HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査>

血糖値が高くなると、血液中のヘモグロビンとブドウ糖が結合してグリコヘモグロビン(HbA1c)になります。

グリコヘモグロビンが血液中にどのくらいあるのかを調べる検査で、グリコヘモグロビンは血液中に120日近く存在するので、過去1~2カ月間の血糖の状態がわかります。

血糖値検査をする時だけではなく、長い期間の血糖値の状態を把握できるので普段の血糖コントロールが上手く行っているかを知る大切な指標となる検査です。

日本基準値(JDS値)6.1%以上、国際基準値(NGSP値)6.5%以上で糖尿病と診断されます。

2.糖尿病はどうやって診断するの?

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1.普段の血糖値:200mg/dl以上
2.空腹時血糖値:126mg/dl以上
3.ブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値:200mg/dl以上
4.HbA1c(NGSP値):6.5%以上

1~3のいずれかと、4に当てはまる場合、自覚症状がある場合、網膜症がみられる場合は糖尿病と診断されます。

3.治療に用いられる検査って?

糖尿病の治療は血糖のコントロールであり、血糖のコントロールを管理するためにも検査は重要な項目となります。

<尿糖・尿ケトン体検査>

尿検査は、市販の尿試験紙で尿糖と尿ケトン体の陽性及び陰性を調べることができます。

<血糖検査>

血糖検査は、血糖自己測定器を用いて自宅でも行うことができます。

インスリンの自己注射が必要な方はもちろん、インスリン注射をしていない方でも朝晩や食後の血糖値の変化をみるために用いられます。いつ、どのくらいの頻度で行うかは主治医と相談して決定します。

合併症の予防の目標値は、空腹時血糖値130mg/dl未満、食後2時間血糖値180 mg/dl未満です。

<HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)検査>

過去1~2か月間の血糖コントロールの状況がわかるので、前回の検査からの自宅での血糖管理が上手く行っているかを知ることができます。

糖尿病のHbA1cの目標値(NGSP値)は以下の通りです。

・血糖値の正常化:6.0%未満
・合併症の予防:7.0%未満
・他の合併症により積極的な治療が困難な場合:8.0%未満

<グリコアルブミン検査>

血液中のアルブミンがブドウ糖と結合している割合を調べる検査で、過去2~3週間の血糖コントロールを知ることができ、基準値は11~16%とされています。

血糖値の変化が大きい人や新たな薬を飲み始めた時、妊娠している方や血液透析をしている方の血糖コントロールの指標として用いられます。

妊婦は15.8%未満、血液透析患者は20.0%(血管障害、低血糖傾向がある場合は24.0%)未満が目標値とされています。

<1.5-AG(イチゴアンヒドログルシトール)検査>

血液中に含まれる1.5-AGの量を調べます。尿糖と関係しており、排出される尿糖が多くなると血液中の1.5-AG量が減り、14μg/mL以上が基準値とされています。

数日間の血糖コントロールがわかり、軽度の高血糖に対して反応しやすい特徴があります。比較的軽い糖尿病患者の治療変更時に、その効果を短期間で確認したい時などに用いられます。